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桃の節句

2022/03/02 18:37:22

 「キャー、寒い!」という可愛い声が、私の後ろの方から聞こえてきました。
その声の主は、お揃いのベージュのコートを着て、お母さんと手を繋いで歩いていた小さな女の子でした。
 3月になり、暖かな春の陽射しを感じるようになりましたが、吹く風はまだまだ春にはなりきっていないようです。
女の子は駅から外に出てきて、コートの裾がふわっとめくれるような風に驚いたのでしょう。

 明日、3月3日は桃の節句です。
女の子のために雛を飾る祭りの日です。
この日は女の子の健やかな成長をお祝いするためのもので、雛人形や桃の花を飾り、祝い膳を食べます。
 桃の節句のルーツは中国にあるそうですが、雛人形を飾る習慣は日本独自のものだと考えられています。
平安時代の貴族の女の子たちが「ひいな遊び」と呼んでいたお人形遊びと、貴族が桃の節句に行っていた「流し雛」という習わしに由来しているそうです。

 雛人形は、ひな祭りの2〜3週間前には飾り始めます。かつては、5段、7段などの豪華絢爛な雛人形が多く見られました。
でも今は、お内裏様とお雛様だけを飾る親王飾りが多いようです。スペースの都合もあるとは思いますが、手間を考えるおとなの都合もあるのでしょう。
 自分が飾るとなると面倒ですが、雛人形といえばやはり7段の真っ赤な雛壇に、15人の人形を飾る昔ながらの雛人形らしい雛人形に魅かれてしまいます。

 今日は素敵な雛飾りを観ることができました。
京都御所お抱えであった老舗人形店の作品でした。
 「あれっ?お内裏様とお雛様、左右が逆?」
そうなんです。京都は逆なのです。
 平安時代の宮中では、「君子南面す」の言葉どおり親王は南に向かって日出ずる東方に鎮座しました。
そのために、男雛を向かって右、女雛を左に飾ります。
男雛が向かって左、女雛が右のものは、西洋のルールに準じているそうです。
こちらは、女性を守るナイトの精神からだとか。

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