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桜始めて開く

2022/03/25 19:53:24

 今日3月25日から29日ごろまでを、七十二候では「桜始めて開く」といいます。
その春に始めての桜が咲くころです。
今年の予想では、ちょうど開花ラッシュにあたります。ようやく春の訪れを実感できるようになりました。
これからあちこちで桜の花が咲き始め、私たちの目を楽しませてくれることでしょう。

 古より桜を愛でながら、数々の歌が詠まれてきました。
「山桜 惜しむ心の いくたびか
       散る木のもとに 行きかへるらん」 
「山桜が散るのを惜しむ心は、いったい幾度、散る木のもとへ思い馳せることだろう」(周防内侍)
 今やお花見といえば染井吉野がほとんどですが、実はこれは、江戸時代につくられた比較的新しい品種だそうです。それ以前の桜といえば、山あいにほんのりと咲く山桜のことでした。

 また桜のシーズンになると、「桜」と名がつく美味しい魚介が出回ります。
まずは、桜エビ。透明な体に光が当たると、赤い色素が透き通って桜色に見えます。海鮮丼や軍艦巻き、かき揚げや釜揚げが人気のようです。
そして、桜鯛。桜の咲くころにはとても美しい桜色になります。
どちらもその名のとおり、桜のシーズンに桜色で楽しませてくれることを思うと、生きとし生けるものの目には見えない繋がりみたいなものを感じます。

 卒業ソングの「サクラ」という歌に、「ヒラヒラ舞い散る桜に 手を伸ばすよ」という歌詞があります。
ただひとときしか咲かない儚い花だからこそ、色鮮やかな花を咲かせようとする桜。
そんな桜のひたむきに生きる姿をみていると、一瞬一瞬を精一杯生きてきた自らの記憶が頭の中で再生されるようでした。
 
 ヒラヒラ舞い散る桜に手を伸ばせば、そんな懐かしい一生懸命だったころの思い出に触れることができるかもしれません。
「桜色 ひらひらと舞う 花びらに
    過ぎ去りし日の 記憶懐かし」

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