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たった一分間

2022/08/12 07:31:31

 おはようございます。
昨日は、山の日でした。
そんな山の日、車窓から素晴らしい富士山を眺めることができました。
その雄大なロケーションに朝から感激しました。
富士山を見ると幸せな気分になったり、何かいいことが起こりそうな予感がしたりするのが日本人です。私もその例に漏れず、しばらく幸福感に浸っていました。

 富士山の話が出ると、「何合目まで行ったことがある?」とよく聞かれますが、自分でも車でどこまで行ったかよくわかりません。
ただ、毎年、富士山には行っていました。
そして、泊まる旅館はいつも同じでした。
鄙びた小さな旅館でしたが、富士山の裾野のかなり近いところにありました。

 その旅館のお風呂が好きでした。
大浴場と呼ぶにはかなり無理があるような大きさで、5人ぐらい入るのが精一杯でしたが、浴槽の奥が全面ガラス張りになっていて、景色がよく見えるというところをとても気に入っていました。
見えるものは、普通の山の裾にあるような地肌の土に雑草や山の草花、どこの山にも見られるようなものでした。ですが、その素っ気なさに自然の中にいる自分をいつも実感し、心がスッキリとしたものです。

 ずっと「この山は、何という山なんだろう?」と、あまりにも近過ぎて、てっきり富士山のまわりにある普通の山だと思っていました。
お風呂から間近に見える地面、そこから上へと延びるがけのような斜面、この当たり前の山の中の景色が、実は富士山そのものだったことに、だいぶ後になって気づきました。
富士山の裾野にある旅館なので、富士山が目の前にあるのは当たり前といえば当たり前でした。

 よく目にする絵画や写真のイメージが強すぎました。
富士山は、頭を雲の上に出して山頂には積雪、そして青い空に白い雲、全体のイメージカラーはブルーとばかり思い過ぎていたのです。
特別な山ではありますが、それは身近に感じる当たり前の山でもありました。
たった1分間の車窓からの富士山の姿に、懐かしい思い出が脳裏を駆け巡りました。

 今日も、よい一日をお過ごしください。


 

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